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感性とデザイン

日本人は古くから自然の造形美や色彩に対して、とても繊細な感性を持って接してきました。自然界や生物の世界に多く見られる有機的で芸術的な形や色にあこがれ、着物のかさねに季節の花の色彩を表現したり、住居の色彩に用いるなど、常に自然への敬意を忘れず、少しでもその美に近づきたいと自分たちの日常に取り入れてきたことが、日本人の美意識の出発点となっているように推測されています。 しかし、現在の日本人は人工色に囲まれ、自然の色に親しむ機会も少なくなっているのですが、古から続く日本人の色との関わり、美意識は今も変わらず私たちの中に生きているのでしょうか?私たちは現在色とどう関わっているのでしょうか?色に対する現代の日本人の感性を調べてみるための方法として、私はまず自然の色を集めた色立体を制作しました。自然の色は地域により差があること、特に交通手段の乏しい時代の日本人は一生を生まれた地域から出ることなく過ごしていたわけで、地域の色が自分を囲むすべての色だったのですから、この色立体も地域の色(中部地方)のみをサンプルとして集めました。

自然の色による色立体

色立体

色立体

出来た色立体は上の写真のように、無彩色を含めた12色相別のボックスと各色相を明度と彩度を5段階に分けて収納したサンプルボックスのような形状をしています。これだけをただ見ていても、なぜか心が落ち着き癒されるのはどうも私だけではなかったようで、後の展覧会場や研究会会場でも同様に「なごむ〜!」「やさしい気持ちになりますね」などの感想を頂くことが多かったのですが、どうも印刷色にはない、何か不思議な力をこの自然の色たちは持っているようです。


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